新印刷機導入のお知らせ | 同人誌印刷所おたクラブ

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新印刷機導入のお知らせ

紙製品の印刷に関する現状の問題を解消する為、新しい印刷機を導入します。
導入機種は、コニカミノルタ製の【KM-1e】という機種です。
弊社が得意とするデジタルオフセットの技術以外も用い、製造を続けていく事が
弊社にとっても、お客様にとっても、メリットになると考えました。
印刷に関する前提知識のお話と、弊社所有のデジタル印刷機の特徴について、順番に記載いたします。
マニアックな内容になっておりますが、弊社の印刷物に少しでも興味がある方は、ぜひ一度お目通しください。

印刷方式の特徴

デジタル印刷には接触方式と非接触方式というものがあります。

接触方式

・ブランケットやベルトと言われる転写機構が、用紙と接触して印刷がされます。
 デメリットとして、紙に印刷が載るまでに、工程を経るため印刷に個体差が出やすいです。 
 メリットとしては、機械の心臓部(画像作成部分)と紙が接触しないため、転写機構の交換で修理が済み、取り回しが良いです。
例…オンデマンド印刷(デジタルオフセットも含む)

非接触方式

・インクをプリントヘッドと呼ばれる機構が直接用紙に吹きかけて印刷します。
 デメリットは、用紙が心臓部に近いことです。心臓部のプリントヘッドが非常に高価なため、
 用紙の搬送等一定の技術的な条件をクリアしない限りは、大きな損傷、損害が常にリスクとして生じます。
 メリットは、プリントヘッドから用紙に直接インクを吹き付けるため、仕上がりの個体差がほぼありません。
 ※色や画質に関して関わる要素がインクの吐出のみなので、コントロールはデジタル制御できるため、再版に非常に強いです。       
例…インクジェット印刷

デジタルオフセット【Indigo】の印刷について

★デジタルオフセット方式の優位性

・非常に濃い白印刷が出来る
 色紙に白印刷を行う場合は、デジタルオフセット印刷が最も白を濃く印刷出来ます。
 機構上複数回同じ色を印刷することが出来るため、遮蔽性の高い白で紙色を隠すことが可能です。

・一般的なオフセット印刷に近い印刷品質
 AM175線に近い印刷が可能です。オンデマンドよりもオフセットに近い印刷の仕上がりになります。
 印刷面のマット感は、デジタル印刷機の中では最も優れています。

・特殊素材に印刷が可能
 クリアファイルやフィルム類など、さまざまな原反に印刷が可能です。

★デジタルオフセット方式の弱点

・再販時の色が安定しない場合がある
 接触方式の為、再販時に前回ご発注分と色が異なる場合があります。
 小ロットで大量件数のご発注を頂く弊社の場合、刷本を保管しておくことも出来ないため、
 再販は機械故障の場合を除き、色のズレは仕様とさせていただいておりました。

・グレーベタのムラ
 接触方式の為、用紙の始端や終端等によってグレーの色調に色ムラが生じます。
 段付きのようなムラや、色のムラも発生する可能性があります。

・肌のトーンにトーンジャンプが発生する
 網点形成の都合上で、肌の部分にグラデーションを使用された場合、
 段付きのようなトーンジャンプが発生します。  

・画質の限界値がある
 AM175線での画像形成のため、「高精細オフセット」と呼ばれる高画質のオフセット印刷には
 画質で劣るという弱点があります。(但し、デジタルオフセットは小ロットで製造可能です)

デジタルオフセットの弱点を克服するために

上記の印刷方式由来の弱点を克服するために、DreamLaboというインクジェット印刷機(非接触方式)を弊社では導入しています。
本来はウェディングアルバムやフォトグラフィ用途の機種のものを、同人誌印刷に使用しています。
専用の用紙を使用する必要があることと、インクコストが高く、提供価格に転嫁されているため、弊社では選ばれづらい価格でした。
近い将来に機械自体のサポートを終了するという内容が、メーカーより正式に発表されました。
2/13をもちまして、弊社ではDreamLaboでの印刷を終了いたします。

今回、KM-1eという、最新鋭の商業美術印刷で使用されている、デジタル印刷機を導入します。
2月14日に設置、3月上旬に有償見本キャンペーンを行いますので、ぜひご利用下さい。
デジタル印刷に関して最も知見のある弊社が、~中ロット単位までの最高画質の印刷機と胸を張って案内出来る機械です。

新機種【KM-1e】の印刷について

★KM-1eの優位性

・非接触方式のため、色ズレは⊿E1内で原則として収まります。 
 機械が破損している場合を除き、色ズレに関しては気になりません。
 小ロットの再販時に特に効果を発揮します。

・ベタのムラが非常に少なく、肌のグラデーションも綺麗に印刷されます。
 グレー部分は、色が多少載ること(気にならないレベルです)はありますが、
 気になる段のようなムラが発生しません。また、トーンジャンプは非常に発生しづらいです。
 肌の部分もDreamLaboに近似するレベルで滑らかに出ます。

・一般的なオフセット品質を超えています。
 175線のAMに比べて圧倒的な画質を誇ります。
 オフセットの「高精細印刷」程度の画質は保証出来ます。
 一冊数万円もする高級な美術系の画集にも使用されています。

・RGBデータの再現性も高い印刷機です。
 4色のインク構成で、通常のCMYKよりも色域が広く、RGBデータの色域も一定までカバーしています。
 デジタルオフセットに比べ、蛍光ピンクの再現は少し負けますが、
 青はKM-1eの方が圧倒的に深く綺麗な仕上がりに出来ます。

 
・生産性が非常に高い機械です。
 今のカラー印刷機すべて合わせた受注量を1台で印刷出来ます。
 但し、KM-1eにもデメリットがあるため、デメリットのある部分をデジタルオフセット印刷機で補います。
 それぞれのデメリットを補い合って併用することで、弊社の生産性が飛躍的に向上します。
 また、機械の内部に製造検査装置を備えており、AIが刷り見本と比べながら
 1枚1枚印刷物をチェックするため、品質が一定レベルでキープされ続けます。
 
・類を見ないレベルでエンボス紙に綺麗に印刷が出来ます。
 非接触方式のため、圧力の強弱が不要で、エンボス紙にほぼ完璧に印刷が出来ます。
 接触方式のオンデマンド印刷でも、エンボス紙に印刷自体は可能ですが、色抜けや色が淡く出る場合があり、
 完璧とは言いづらいです。深いエンボスの用紙にも、色抜けや色の濃淡の無い状態で印刷が出来るのは
 非接触方式ならではの特徴です。

★KM-1eのデメリット

・クリアPP加工を行う場合、濃い色が少し盛ります。
 オンデマンドのクリアPPに近い感じです。

・刷りたてはUVインキ特有の臭気がします。
 紫外線硬化樹脂の臭気は、ゼロではありません。
 時間がたつにつれ、臭いはなくなります。
 (除光液が非常に薄くなったような感じです。匂いはするが臭くはない、というような感じです)

・白印刷が出来ません。
 白印刷に関しては、今後もデジタルオフセット方式の独壇場になると予想しています。
 デジタルオフセット方式は、印刷を1工程で重ね刷りすることが出来ます。
 オンデマンドやインクジェット方式は機構的に白を重ね刷りして濃く印刷することが技術的に難しいです。

・一部のパール系の用紙との相性があまりよくありません。
 インクの層が紙の上で形成されるため、パール塗工を隠してしまいます。
 デジタルオフセット方式が、パール塗工の質感を残す場合は最適な印刷方式です。

新機種の導入に際して

現在の弊社が抱えている問題に対して、非常にメリットが多く、今回、大きな舵を切ることにしました。
全体のカラー印刷のうち6割程度をKM-1eに、4割程度をデジタルオフセット方式に変更します。
※用紙によって印刷方法が変わります。印刷方式によって色や仕上がりの特性が変わるため、ご注意ください。

今回、複数の候補から、あくまで「画質」に拘って機材の選定をしています。
印刷に興味がある人ほど、画質の良さに驚いて頂けるはずです。
そして、今回導入する高画質高発色の商業用途のデジタル印刷機を、今までと「同じ価格」で実装します。
※一部用紙等の改定があります

・ハイマッキンレーポスト+マットPP
 ↓
・ボンアイボリー+マットPPに変更(同一料金)

★今後は受注を出来る限り止めないようにする施策を行います

・納期に応じて選べる用紙や印刷内容が固定されます。(納期が短い程、用紙の選択幅が狭まります)
 例えば冊子の場合は、短納期という括りを無くし、13,10,7,4営業日発送という設定です。
・オンデマンドのカラー印刷は原則として無くします。(デジタルオフセット方式より、色が暴れやすいため)
 オフセットレベルでマットに仕上がるため、本文などモノクロ印刷専用として運用します。

最後に

現在社内で上記の機材実装に向けて、システム調整を行っています。
4月の上旬あたりに実装が出来るように調整しておりますので、ぜひご期待下さい。
料金に関しては、値上げ値下げ両方が各商品に入る予定です。
(価格のテーブルをもう少し簡素化します。大幅な上下はしませんのでご安心ください)

長くなりましたが、ひとまず有償見本キャンペーンをお試しください!感動していただけると思います!
ご注文お待ちしております!よろしくお願いいたします!

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